
新しい本から
「わたしたちのアジア・太平洋戦争」シリーズ
全3冊 古田足日 他 / 童心社刊
今年文庫に入れた本です。小学生には無理かもしれないと思ったこの本を読んでみました。
まず最初に19歳間近だった末っ子(男)が読みました。彼は1〜3までを通して全部読み、この本は決して難しいという本ではない。文字も大きいし、表現も難しくないので5年生くらいからでも読めるのではないか、中学生ならまず読み通せるはず、という感想でした。
そこで私も、読んでみました。
確かに息子の言うとおりでした。突発的な事情があって、全てを読むことはできませんでしたが、私のように、昭和18年に生まれ、少しは戦争について知っているつもりの人間にとっても「ああ、そうだったのか、知らなかったな」と、新しい視点で戦争を見直すきっかけとなってくれた文もありました。
こういうノンフィクションの文集は隅から隅まで読まなければならないという訳ではなく、年齢に合わせ、自分の抱いている関心度に合わせて読めばよいので、もっと多くの人達に手にとって欲しいと思い、紹介致します。
新しい絵本から
今年、文庫にいれた新しい絵本をから、2冊紹介します。いずれも、最近出版された絵本です。
.「むしゃ!むしゃ!むしゃ! マグリーリさんとはらぺこウサギ」
カンダス・フレミング文/Gブライアン・カラスえ/いしづちひろやく/
BL出版/2002年3月初版/1300円+税
マグリーリさんの夢は、自分の手で育てた野菜を食べること。さて、いよいよ、庭で野菜を育てることに決めました。まず、種をまきました。あとは育つのを待つばかり。ところが、ある夜3びきのはらぺこウサギ達がやってきて、野菜の芽をかじっていきました。腹を立てたマグリーリさんは、畑の周りに針金の柵を巡らし、もう、畑を荒らされる心配はないと思ったのですが・・・。
マグリーリさんが、畑を荒らされまいと工夫しても、それを乗り越えて、畑に進入するウサギ達。さて、野菜は、そしてウサギ達はどうなる。
とにかく、愉快な絵本。そんなバカなと思いつつ、吹き出してしまいます。9/28日に文庫でも読みました。4歳から5年生まで。そして大人も3人。みんなで楽しみました。絵もハッキリしていて、遠目もきくのですが。頁ごとに先を予想させる仕掛けがあり、ウサギ達の動きを読みとるには少人数で。文庫では、読み終わってから、みんなで頭を寄せ合って絵を読み直していました。「あっ、ここにもウサギが」の声が楽しそうでした。
「ちいさなきかんしゃ レッドごう」
ダイアナ・ロス作/レスリー・ウッド絵/みはらいずみ訳/
あすなろ書房/2001年4月初版/
きかんしゃレッドごうはタドルコーム駅の車庫に住んでいます。毎日7時きっかりに出発し、決まった道を通って、子犬のハリーやカモたちゃネコなどと朝のあいさつをかわします。ところが、あるあさ、レッドごうは病気になってしまいます。修理がかりに悪いところを見つけてもらって、油をさしてもらい、元気になったレッドごうは、おくれをとりもどすために全速力で走ります。
ただ、これだけのストーリーですが、明るいモダンな絵は、レッド号のポッポー。ガタンゴトーン ガタンゴトーン ガタンゴトーンというリズムをのせて。のりもの好きの男の子を伸びやかな世界へと連れていってくれるでしょう。膝の中で読んでやりたい絵本です。
文責 田島多恵子
(注)現在新しい本コーナーにおいてあります。
7月7日に6年生と世話人代表が、クレヨンハウスに出かけて、
文庫に新しく入れる本を買ってきました。
購入図書は全部で110冊。
その中から、5冊(シリーズ)を紹介いたします
子どもたちのリクエストで購入した本から
(1)「ネシャン・サーガ/全3冊」ラルフ・イーザウ著/酒寄進一訳/あすなろ書房
「Tヨナタンと伝説の杖」「U第七代裁き司の謎」「V裁き司最後の戦い」
*ネシャン北域の森で、少年ヨナタンは謎めいた杖を発見。青い光を発する杖を握るとも五感はとぎすまされ、ネシャン世界の冒険に巻き込まれていく。
*「ハリーポッター」や「ナルニア」「ホビットの冒険」などを読破した6年生のリクエストで購入しました。
(2)「ダレン・シャン/1〜4」ダレン・シャン作/橋本恵訳/小学館
「T奇怪なサーカス」「U若きバンパイア」「Vバンパイア・クリスマス」「Wバンパイア・マウンテン」
*ダレンは、ウルフマンなどが出る不思議なサーカスを見に行き、毒グモのマダム・オタクを盗もうと計画を立てます。そのことから、愛するものを危険にさらすことになり、自分が半分だけバンパイアーの血を受け入れることで、愛する人達を守ろうとしますが・・・。
*「ハリーポッター」は読んだけれど、その先読みたい本に巡り会えなくて、(本格ファンタジーは難しすぎる)という4年生のリクエストで購入。ハリーポッターの作者が誉めているというのが、目を引いたようです。現在売上げNO1とか。
(3)「チムもうひとつのものがたり−コックのジンジャー」
「チムとうだいをまもる」
「チムさいごのこうかい」
アーディゾーニ作/中川千尋訳/福音館
*航海士として大活躍するチム少年は、文庫の男の子達の憧れ。
新作が出たら買ってね、との、約束を果たしました。
世話人が選んだ本から
(1)「フレディ1−世界でいちばんかしこいハムスター」
「フレディ2−世界でいちばんねらわれたハムスター」
ディートロフ・ライヒェ作/佐々木田鶴子訳/旺文社
*ハムスターのフレディは、飼い主の子の宿題をみながら、文字を覚えます。
そして、その文字を使って表現したいという願いをもち、ついにパソコンを使うことを覚えます。その文章を飼い主のホームページに掲載したことから、ある動物学者に狙われることになります。ハムスターは子どもたちにとって身近なペット。ハムスターの活躍するおはなしはないのと、以前から言われていたので。
(2)「機関車・電車の歴史」山本忠敬作/福音館書店
*文庫や図書館の役目の一つは家庭ではなかなか出会うことが出来なくて、書籍として価値の高い本を購入し、子どもたちの目に触れるところにおいて置くということ。昨年購入した「飛行機の歴史」山本忠敬作/福音館書店と並び、そんな貴重な1冊です。
*精密な図版や豊富なデーターをもとに、飛行機や機関車・電車の発達を人間の夢を実現するという視点から記録したこの2冊は。子どもだけではなく大人をも魅了します。山本忠敬氏の乗物の絵はお父さん世代がかつて愛読した懐かしい絵本「しょうぼうじどうしゃじぷた」や「のろまなローラー」を思い出させてくれることでしょう。
文責:田島
文庫で人気のシリーズに新作登場◎「ルドルフといくねこ くるねこ」
斉藤洋作/杉浦範茂絵/講談社・1300円。◎「ふたりでまいご」
いとうひろし作/徳間書店・1300円◎「1ねん1くみ1ばんやさしーい」
後藤竜二作/長谷川知子絵/ポプラ社・1000円◎「ぐりとぐらのおおそうじ」
中川李枝子文/山脇百合子絵/福音館書店・800円
ちょっとひとこと NEW★ファンタジーと銘打てば売れると考えているのか、何にでもファンタジーと売り文句がついている昨今ですが、その風潮には作為を感じます。そして、そういう本を楽しめないことに、一種の引け目を感じる人もいるようで、そのことも気になります。ファンタジーは文学の一ジャンル。好きな人もいれば、嫌いな人もいる。それが当たり前の姿である筈なのに。
我が家の末息子は、ファンタジーはあまり好みません。夢中で読んでいるのはノンフィクション。とりわけ、私が苦手とする社会科学の本を一息に読んでいる姿を見ると、感心してしまいます。にもかかわらず、ファンタジーを楽しめないことに引け目を感じるようで、時々手を出しては途中でやめています。こんな風潮は一過性のもの、関心のある分野の本をドンドン読んでほしいと思います。
谷中子ども文庫には文学好きの会員が多いので、ノンフィクションはあまり読んで貰えません。低学年の男子に生物の本や図鑑が読まれている程度でしょうか。ノンフィクションも豊富なので、そういう本が好きな子も会員になってほしいと願っているところです。(文責=田島)
「いぬいとみこ」さんの本
日本の戦後児童文学の草わけとして、子どもたちに愛される数々の名作を発表されてきた、いぬいとみこ(本名。乾富子=いぬい・とみこ)さんが、1/16日に逝去されました。
いぬいさんは、1950年に岩波書店に入社し、石井桃子さんの下で岩波少年文庫などを編集。
1957年「ながいながいペンギンの話」で、毎日出版文化賞受賞。
1961年「木かげの家の小人たち」で第4回アンデルセン賞国内賞受賞。
1964年「北極のムーシカミーシカ」で第5回国際アンデルセン賞佳作賞受賞。
この3冊は、初版後25年以上になりますが、現在も小学生の読書家達に読み継がれています。以下に、3冊の内容を紹介します。価格は2001年3月現在。
「ながいながいペンギンの話」
理論社(山田三郎絵) 本体1200円。同フォア文庫 本体560円。岩波少年文庫(大友康夫絵)本体640円。
南極にすむアデリーペンギンの兄弟ルルとキキが、南極の自然の中で育っていく姿を描いた、3つのお話。
第1話は、冒険好きのルルが両親の留守にひとりで外へ出ていき、大カモメにおそわれる話。氷の割れ目に飛び込んで助かりますが、ひとりで家に帰る途中、クジラとりのモリウチと会い船につれていかれます。一方、ルルの両親はいなくなったルルを探そうと仲間のペンギンに助けを求めます。人間にさらわれたと知り、ペンギンたちは、力を合わせてルルを取り戻すためクジラとりの船に向かいます。
ほかに、ルルとキキが夏の海を漂流する話。と、優しくしてくれたモリウチとの再会。の2話が入っています。
ひとりで読むなら、中学年から。
「木かげの家の小人たち」
福音館書店(吉井忠絵)刊。本体1680円。
明治の末、当時尋常科3年生だった森山達夫は、帰国するイギリス人教師から、小人のバルボン夫婦を守ってほしいと託されます。以来、達夫のいとこで後に夫人となる透子、その娘ゆりと、3代にわたって小人たちの安全な暮らしは守られ、空色のコップに入れた1杯のミルクが、毎日小人たちのもとへと運ばれました。そして、小人の家族にもアイリスとロビンが加わり、4人に増えした。
しかし、戦争が始まると小人たちを守ることが困難になってきます。非国民として捕らえられた父達夫。兄たちの入隊。野尻への疎開。苦しく、悲しいことの多い戦時下に、疎開地で一所懸命に生き抜こうとするゆりと、小人たちの物語です。
高学年から。
続編「くらやみの谷の小人たち」福音館(吉井忠絵)刊。現在品切中。は、母国イギリスに返されることを嫌った小人夫婦の子どもたち。ロビンとアイリスが友達のアマネジャキたちとくらす、くらやみの谷の物語。
「北極のムーシカミーシカ」
理論社(瀬川康男絵)本体1200円。同フォア文庫 本体560円。
雪の下の家で生まれた北極ぐまの双子のムーシカとミーシカは、好奇心いっぱいの元気者。母さんの留守中に外へ出かけて、アザラシの子と仲良くなったり、氷の割れ目に落ちたり、白鳥をおそう北極ぎつねと闘ったり、人間に鉄砲で撃たれたくまの体の下から、小さなこぐまのマーシカを助けたり、と様々な経験をしながら大きくなっていきます。厳しい自然の中で生きるためには、殺したり、食べたりしなければならないということも、次第にわかっていきます。元気いっぱいのこぐまの冒険を楽しみながらも、生きることについて、考えさせてくれる物語。
中学年から。
以上 文責 田島
クリスマスの本
「急行北極号」
絵と文 C・V・オールズバーグ
訳 村上春樹
カルデコット・メダル受賞の絵本。
作者のオールズバーグは、モーリス・ センダック以来の最も才能豊かなアメリカの絵本アーティストと言われている。
淡い色調のパステル画は、心を和ませる。
クリスマスイブの夜中、主人公の僕は、急行列車に乗って北極点に向かう。そこでサンタクロースに会って、僕の一番ほしいプレゼントをもらう。そのプレゼントとは・・・ (文責 小泉)
「クリスマス物語集」中村妙子編訳/東逸子絵/偕成社
「ちいさちゃんの箱」「誰が鐘を鳴らしたか」「クリスマスローズの伝説」など、クリスマスにちなんだ短篇を集めたアンソロジー。1話ずつ趣の違うお話が集められていて、気に入った1編を読み聞かせてやるのにも良い。高学年なら自分で読んでも楽しめて、クリスマスにはぜひ出会わせてあげたい本。残念ながら、品切れ。文庫では、毎年だれかしらが読んでいる。(文責 田島)
「クリスマス人形のねがい」
ルーマ・ゴッテン文/バーバラ・クーニー絵/掛川恭子訳/岩波書店。¥2000(税別)
ホリーは赤いドレスを着た小さなクリスマス人形です。小さな町のおもちゃやのウインドーに並べられ、自分を買ってくれる女の子を待っていました 。
アイビーは、孤児でした。施設がクリスマス休みを迎え、誰も面倒を見てくれる人がいなくなったため、たったひとりで、「おさなごのいえ」という別の施設で休暇を過ごすことになりました。他の子どもたちは、親戚の家でクリスマス休暇を過ごすことになり、それぞれ引き取られていきます。でも、アイビーは引き取ってくれる親戚もありません。たった一人で汽車に乗せられ「おさなごのいえ」に向かうことになりました。
アイビーのねがいは、女の子の人形と、自分を待っていてくれるおばあちゃん。どこかにそんなおばあちゃんがいると考えているうちに、アイビーは小さな知らない駅で列車を降りてしまいます。
そのまちは、ホリーがいるお店のある町でした。そして、そのお店の近くには、警察官のジョーンズさんの家があり、ジョーンズさんの奥さんは長いこと子どもがほしいと願っていました。
この三人の出会いを、温かく描いた絵本。以前にベネッセコーポレーションから「クリスマスの女の子」久慈美貴訳、日本人画家の挿し絵で単行本として出ていましたが、これは、バーバラ・クーニーの素朴で美しい絵を添えて1985年に出版された大型絵本「THE STORY OF HOLLY & IVY」の翻訳。
絵本といっても、文章が多いので、ひとりで読むのは高学年から。 (文責 田島)
「サンタクロースと小人たち」
マウリ・クンナス作/いながき みはる訳
偕成社
文庫で長い間親しまれてきた絵本です。
「オーロラのみえる国、フィンランドのとおい北のはずれに、コルバトントリという山がそびえています。」という書き出しで始まるこの絵本は、フィンランドという現実の地名を配することにより、現実の世界とお話の世界を融合させています。
コルバトントリではサンタクロースが多くの小人に囲まれて暮らしています。その村には、子供たちへのプレゼントを作る工場があって・・・・
絵が楽しくてつい手を出してしまう絵本です。私も本屋さんではじめて見たときこの絵に惹かれました。サンタクロースや小人たちの表情がとてもいいのです。
そうそう、その小人たちは、世界中を回ってよい子を探し、サンタクロースに報告しているのですよ!よい子の報告がたくさん集まるとサンタはうれしいんですって!
この絵本を読んでから、「小人が来てるかも」というと、うちの子供たちはおりこうさんになったものです。とにかく読んでいて楽しい本です。 (文責 小泉)
親子2代で読まれています
1.「ちいさいモモちゃん」松谷みよ子作 講談社刊(初版1964年)
*お母さんが、子どものとき好きだったんだってと、借りて帰る子のいる本。
幼い子どもの成長をあたたかい母親の目で描いた童話。シリーズ全6冊。
2.「いやいやえん」中川李枝子作/大村百合子絵 福音館書店刊(1962年初版)
*「この本好きだった」と、懐かしがっているお母さん。今でも、現役で読まれている代表格のロングセラーです。幼い子どもの生き生きした遊びの世界を描いて、日本の幼年童話の傑作といわれています。
3.「ツバメ号とアマゾン号」アーサー・ランサム作・岩田欣三訳/神宮輝男訳 岩波書店刊(邦訳初版1967年)
*こちらは、お父さんが子どものころ好きで、今も実家に置いてあると言って、読んでいる男の子がいます。子どもだけの野外生活の楽しさ。子どもたちが、知恵と勇気を出し合って、大人の悪と対決する物語など、冒険に満ちたストーリーです。全12冊のシリーズ。
親子2代で同じ本を楽しむっていいですね。創立26年を経た文庫には、ロングセラーが沢山あります。子どもの頃の愛読書に会いに来ませんか。
(文責 田島)
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