2001年12月1日

 取手市と藤代町の合併協議会が正式に発足して7ヶ月が過ぎましたが、いまだに何も決まらない状態が続いています。合併の方式について取手と藤代の意見が調整できないからです。

大橋取手市長の編入合併発言
 取手の大橋市長は第5回合併協議会ではっきりと編入合併を口にしました。第4回でも編入を匂わせる発言はありましたが、断言したわけではありませんでした。しかし、第5回では、取手市民の意見も議会の意見も編入合併が主であり、市長も同意見であるとの発言がありました。これまで、任意協議会でも取手市議会でも市長は対等合併でよいと言ってきたにもかかわらず、ここに来て変節したのです。「政治は動くものだ」という発言で市長の変節をかばった取手市議もいました。

 しかし、これでは余りにも誠意の無い言動と言うほかありません。人口の違いも、予算規模の違いも合併の話が持ち出された当初からわかっていたことなのですから。それを承知で今まで新設合併を認める発言をしてきたのに、何をいまさらという気がするのは私一人ではないでしょう。県内でも勝田市と那珂湊市が合併して出来たひたちなか市の場合、新設合併でしたが人口規模で3倍以上の開きがありました。それを考えても藤代の主張する新設合併が成り立たないということはないのです。

今、私は合併賛成に傾きつつある
 ところで、合併に対する私の考え方は、少しずつ合併賛成の方向に傾きつつあります。はじめは合併により、藤代の意見が通りにくくなる、庁舎が遠くなって不便になる、合併特例債を使うことによって、今でも多い借金が更に増えるなどのマイナス面を考え、反対する気持ちが強かったのですが、今は変わってきました。

児童生徒1人当りの教育予算
 その理由は、ひとつには近隣自治体の教育費の比較をしたことによって、藤代が余りにも教育予算が少ないことを知り、せめて取手並みの教育予算がほしいと言うことにあります。学校建設費を除く小中学生1人当りの教育予算は、藤代町が82,575円、取手市が116,043円です。藤代は取手の7割強の予算しかありません。ちなみに近隣の6自治体(藤代・守谷・利根・取手竜ヶ崎・伊奈・)の平均値は122,571円です。これを見れば藤代の教育環境が満足なものでないことは明らかです。特に備品購入費や校舎等の修繕費の不足は学校運営にもかなりの障害となっているようです。これが合併によって取手市並みになれば、子供たちに少しは良い環境を作ってあげることができるでしょう。子供たちへのサービスの質が少しは良くなるだろうと思います。

学校の耐震改修
 近隣の自治体では学校の耐震改修も進んでいます。龍ヶ崎市は今年度で全部の学校の耐震改修が終わるとのことです。しかし、わが藤代町ではこれから耐震診断の予備調査に入ろうとしているところです。住民の避難所でもあり、子どもたちが毎日過ごす場でもある学校の耐震性は重要な問題です。藤代の小中学校は殆どが昭和55年以前の建物ですから、現在の耐震基準は満たしていないと思います。これらを全て現在の耐震基準に合わせて改修するには莫大な資金が必要です。今の藤代町の財政状況ではいつまでかかるかわかりません。そのうちにも建物の老朽化は進んでいくのです。ここで合併特例債が使えれば、それによって一気に改修を進めることも可能だと思います。そのような計画が作られるなら、これは千載一遇のチャンスと見ることも出来るでしょう。

町民税収の減少と老人医療費の増加
 さらに今後10年ぐらい先の町税の見通しを考えてみると、町内の各団地に転入してきた方たちが定年を迎え、町民税は大幅に減少することになるでしょう。藤代町の町税は、固定資産税と個人町民税が主なもので、法人税はほんの少ししかありません。つまり、定年による個人町民税の減少は町の財政を直撃するのです。
 その上、定年退職者は社会保険から国民健康保険に変わるため、国保の医療費が大幅に増えることが予想されます。

 取手市も大量の退職者を抱えることは同じだし、むしろその割合は藤代よりも多いと思われますが、法人税収入もあるので、藤代よりは財政の悪化が緩やかであろうと考えられます。
 このように、町民税の減少と医療費の増加を考えると、これからも町単独でいくより、取手市と合併して大きな市になるほうが、長い間にはスケールメリットも出て財政的に楽ではないかと考えるようになりました。

行政サービスの種類
 現在取手市の行っている事業は、数にして藤代の倍ぐらいですから、合併すれば藤代の住民は今まで受けられなかった様々な行政サービスを受けられるようにもなります。

マイナス面も
 以上のような点を考えると、今合併するのは藤代にとって悪いことではないように思われます。勿論、市街化区域農地の宅地並み課税など住民にとってマイナスの面もあります。合併特例債を使うことにより、借金が増えるという問題も見逃せません。

新市建設計画の重要性
 ですから、何と言っても今市民会議で策定作業が進んでいる新市建設計画が重要になってきます。新しい市はどのようなスタンスでどんな建設計画で進むのか、新市建設計画の如何によっては合併することがマイナスになるということも考えられるでしょう。合併記念のシンボルとなるような大型公共事業ばかりでは、将来に残されるツケが大きな負担としてのしかかってきます。合併後10年経てば地方交付税も減額される訳ですから、債務の返済は大変です。
 今まで両自治体で総合計画に入っていながら実行できずにいたような事業、特に住民の生活に密着した事業が、これを機に進むなら合併のメリットとして考えられると思います。

人件費の削減効果
 職員数削減による人件費の圧縮は、言われている様に15.5億円にはならないでしょう。15.5億円の削減効果と言っているのは、藤代町職員の給与を取手市並みに上げた場合の人件費総額から定員減になった場合の人件費総額を引いて計算しているからです。合併の効果を考えるには、現行の両市町の人件費総額と比べなければ意味がありません。合併により藤代町職員の給与が取手市並みに上がった場合、合併当初の人件費はむしろ増額となるわけですし、職員は簡単に減らせないわけですから、人件費の削減効果はなかなか表れてこないことになります。人件費の削減効果がでるまで職員定数を減らすのには何年もかかります。定年による自然減を待って、新規採用を少なくしていると職員の高齢化が進んで将来困るので、新規採用もしていかなければならないでしょう。そうすると、職員数をへらすには相当の年月がかかることになり、人件費の削減効果が表れるのはかなり先のことになるわけです。

 これは議員についても同じことが言えます。現在の取手市議会議員(26人)の報酬は月額約41万円、藤代(20人)は28万円です。合併当初、特例により現在の両議会の議員全員がそのまま議員として残った場合、取手市の報酬に合わせると、月々の報酬だけで年3120万円の増額になります。これにボーナスが加わるのです。これが第1回目の選挙までの間続きます。選挙後は定数が34人になりますから、議員報酬は年間数千万円の減額になるでしょう。議員の方は職員よりは早く削減効果が現れます。

 しかし、議員が減るということは住民の意見が行政に反映されにくくなると言うことにもつながりかねません。特に合併後は藤代を地盤とする議員の数は大幅に減ると思われますから、住民の意見の反映のため、地域審議会をつくるなど、何らかの対策が必要になってくるでしょう。

 以上見てきたように、合併にはかなりのメリットもありますが、デメリットもあります。新市建設計画の如何によって合併の効果も大きく異なってくるでしょう。とにかく策定された計画をよく検討する必要があります。

 私は、合併の是非について、新市建設計画が出来上がった段階で住民投票をするのが良いと考えています。自治体の存続を問うのですから、議会の議決の前に住民の意向を問う必要があると思うのです。

住民投票策定調査特別委員会
 前述のような理由から、藤代町議会では全会派の合意の下に住民投票条例策定調査特別委員会を設置しました。設置に関しては全会派の合意が得られたのですが、いざ条例案を審議する段階になって、取手市の状況を見てからということになり、実質審議は進んでいません。私は取手市の動向に関わらず、藤代は藤代として審議を進めるべきだという意見を述べたのですが。
 取手市でも9月定例会に住民投票を求める陳情が提出されています。