2005/2/5

1.「合併があるからこそ、その前に図書館を」について

 12月末ごろから1月末にかけて「とりで・ねっと」という掲示板に、合併前にお金を使えるだけ使って図書館を作ったのは、取手市民として許しがたいという主旨の投稿が続いていました。それは主に私のHPの「合併問題と図書館」についての批判です。
 今から8年ほど前、合併がささやかれはじめ、住民発議が出された頃(平成8年ごろ)のことでした。図書館建設を推進する人たちは、その頃「合併があったら藤代地区に図書館を建設するのは難しい」と考えていました。取手市の図書館が古くて狭いので、合併後に図書館を作るとしたら、取手市の図書館の新築になると考えたのです。そうなると藤代地区には図書館ができないだろうと思いました。8年も前のことで、私もまだ議員になっていない頃のことすから、「合併前に駆け込みでお金を使えるだけ使ってしまい、借金を取手に回してしまえ」などと言う発想は毛頭ありませんでした

 「藤代町立図書館について」を読んでいただければお分かりいただけると思いますが、私たちは平成3年から地道に図書館建設を求める住民運動をしてきました。そして平成5年の町長選にあたり、候補者全員にアンケートをしたところ、全ての候補者が図書館建設に前向きの回答を寄せてくれたので、運動を更に進めたのです。そのあたりの経過はこの「藤代町立図書館について」に詳しく述べています。

 途中財政が悪化し建設予定が延期されたり、様々な経過がありましたが、平成12年3月の議会で、現在地への建設が決定され(建設のための準備室設置の予算が可決された)、平成13年8月7日の臨時議会で工事契約が締結されたのです。取手藤代の第1回合併協議会が開催されたのは平成13年5月7日ですから、図書館の建設は合併協議の前に決定されていたのです。

 また、私は、「図書館は水道や下水道、ゴミ処理施設などと同様に、生活に必要なインフラの一つだ」と考えています。あってもなくても良いものとは考えていません。

2.「県費で建設できたのに」について
 さらに、今回の一連の投稿の中には「県費で建設できたのに、財政が困窮しているにもかかわらずそれを断って、町費で建設したのはけしからん」というような内容も書かれていましたが、県費で図書館を建設できるなどという話は一度もありませんでした。それは当然のことです。藤代だけが県費で町立図書館を作るなど他の自治体が容認するはずがありません。県費ですから県立図書館と思われる方のあるでしょうが、県立図書館なら藤代に持ってくるのは到底できないでしょう。県南に県立図書館を作ると言うなら土浦市やつくば市が適地だと考えるのが自然でしょうから。このことに関しても「図書館の立地について」に書いてあります。ご一読いただければ幸いです。

3.「取手市民に赤字を押し付ける」について
 1.でも述べたように、図書館建設は合併協議会設置前に決定していたので、「図書館の駆け込み建設は許せない」などは論外です。また、「藤代は借金が多くて大変なので取手に救済してもらうのだ、取手市民は藤代の借金を押し付けられて大変だ」と言うような内容の投稿も見られましたが、それについては異論があります。
 下の表をご覧ください。これは平成15年度末の統計ですが、今はこれが最新のものですので、これで考えてみてください。
                                                    単位:千円
藤  代  町 取  手  市
地方債残高 9,764,248 24,522,306
地方債残高(一部事務組合分) 10,531,406 24,118,006
合   計 20,295,654 48,640,312
人口(H.16.3.1) 33,430 80,510
住民一人当たり債務残高 607 604

 藤代と取手の住民一人当たりの債務残高は殆ど相違ありません。普通会計の方では藤代の方が一人当たりの債務残高が少ないのですが、一部事務組合では藤代の方が多いので、合計すると殆ど同じになります。従って、たくさんの赤字を取手市民に押し付けるという論理は成り立ちません。

 どちらの自治体もかなりの債務を抱えて厳しい財政事情にあります。それには、国の指導で経済対策としての公共事業をやらされたこと、地方交付税の不足分を臨時財政対策債として地方の債務に振り替えさせられたことなどが大きく影響しています。

 合併によって得られるスケールメリットは、しばらく時間が経たなければ現れてきませんので、当分は厳しい財政運営となるでしょう。行財政改革をしっかりやって、無駄な支出を抑えなければなりません。必要に応じて事業の大幅な見直しなども行わなければならないと思います。

 先日の学習会で、「合併特例債の交付税措置は本当に行われるのか」と質問してみましたが、「基準財政需要額の中に算入するので、実際にお金として入ってくるかどうかは疑問である」との講師(東京自治研究センター研究員の菅原敏夫先生)の答えでした。また、合併特例債の起債が非常に厳しく査定されるそうで、『新市まちづくり計画』で予定したことが、本当に特例債事業として認められるかどうかは甚だ疑問であるとのことでした。つまり、合併の財政計画は当初から躓く公算が大きいということのようです。合併協議会事務局では、このあたりの事情をどの程度把握していたのか知りたいところです。私たち合併協議会委員も特例債関係の事情を甘く見てしまったようで、この件に関しては責任を感じています。

 実際に特例債事業を決めるのは合併後の取手市議会です。私たち議員はしっかり勉強し、財政状況も見定めて判断を誤らないようにしなければならないと気を引き締めています。



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