教育基本法の見直し・改正を拙速に行わないことを求める意見書
 中央教育審議会は、昨年3月20日に「新しい時代にふさわしい教育基本法と教育振興基本計画の在り方について」の答申を発表した。その後、教育基本法の「改正」に向けた動きが本格化している。
 しかし、教育基本法は、憲法の保障する教育にかかわる権利を実現するために定められた教育法規の根本法であり、準憲法的な性格を持つ法である。現行の教育基本法は、憲法の根本的な原理である個人の尊厳の尊重主義のもとに、憲法の保障する教育を受ける権利、学問の自由、思想良心の自由、法の下の平等などの諸原理、諸原則を具体化したものであって、同法の改正については、慎重であるべきであり、現在の教育の状況に鑑みれば、今、求められるのは、教育基本法の改正ではなく、教育基本法の理念と内容を教育現場で実践できる諸施策を実施し、教育の隅々にまで教育基本法を行き渡らせることである。
 ところで、中教審の前記答申によれば、教育基本法を貫く「個人の尊厳」「人格の完成」「平和的な国家及び社会の形成者」などの理念は、今後も大切にしていく必要があると述べられている。そうであれば、現在の教育基本法を改正する必要はないはずである。
 他方で、前記答申が「愛国心」「新しい『公共』をいたずらに強調することは、公教育の場において個人の内面的価値にまで立ち入る結果を招き、内心の自由を保障する憲法19条に抵触するおそれがある。